インフラ劣化診断用非破壊検査装置

交流の励磁磁場を印加し、導体(試験体)に流れる誘導電流(渦電流)が作る磁場を測定する渦電流探傷法は非破壊検査法の一つです。試験体の欠陥により渦電流が乱れることで生じる磁場の変化を検出します。kHzオーダーの励磁磁場を用いる通常の渦電流探傷法では、表皮効果により検査対象が表面や表面に近い領域に限られます。低周波領域でも高感度なSQUIDを磁気センサーに使用することで数Hzから数十Hzの励磁磁場を使用した導体深部や裏面の検査が可能になります。

 

SUSTERAでは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の研究開発[1]に参画し、鋼材の腐食・亀裂を高感度に検出、評価可能な高感度磁気非破壊検査技術の開発を進めています。

 

参考:

[1] SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」、研究開発課題「インフラ劣化評価と保全計画のための高感度磁気非破壊検査」

 

研究責任者:岡山大学 塚田啓二教授、参加機関:岡山大学、SUSTERA、九州大学、発電技検

 

検査技術 2018. 11. Vol.23, No.11 pp.19-26 高温超伝導SQUID磁気センサーを用いた鋼床版亀裂検査  塚本晃、波頭経裕、安達成司、押久保靖夫、田辺圭一、塚田啓二